2017年8月度 衛生委員会からのお知らせ

2017年8月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
8月度の衛生委員会の資料になります。

8月度のテーマは「尿酸について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に
留意いただき、業務に努めていただきたいと
考えております。

ご安全に!!


「尿酸について」

平成29年8月度
衛生委員会資料
産業医 山元俊行



痛風の原因となる血液中の尿酸は、発汗などで、体内の水分が奪われることでも濃度が上昇します。
そのため、暑さの厳しいこの時期は、特に尿酸値の上昇に気をつけましょう。
今回はそんな尿酸について、お酒以外にも気を付けていただきたい食事、生活習慣についてもご紹介いたします。


尿酸とは、
細胞が壊れたり、エネルギーの代謝によって「プリン体」から生産された廃棄物です。また、食事によって体外からも持ち込まれます。人間の体内ではこれ以分解することができないので、腎臓から尿とともに排泄されます。尿酸は体内に常に存在しており、産生量と排泄量のバランスにより一定に保たれています。


生活習慣との関係①食生活
尿酸はプリン体が分解された後に生じるため、食品中に含まれるプリン体の摂取を控えることが大切です。
◆プリン体を多く含む食品
 大きく分けると、肉類、青魚、甲殻類、内臓系の食品です。
最近では、食品に含まれるプリン体だけではなく、“ショ糖や果糖”の過剰摂取による尿酸値への影響が注目されています。ショ糖や果糖の代謝過程で尿酸値が上昇し、痛風発作のリスクが増加することが分かっています。

生活習慣との関係②お酒
アルコールは、分解されると尿酸の元となる物質を生成します。プリン体を多く含むビールが注目されがちですが、ビールはもちろん、アルコールそのものが尿酸値を上げる原因となるため、注意が必要なのはビールだけではありません。痛風の方は禁酒することが理想ですが、付き合い等でどうしても飲まなければならない場合は、尿酸値を上げないために、1日のお酒の適量を覚えておきましょう!

週に2日は休肝日を設け、飲み過ぎないように注意しましょう!

生活習慣との関係③ストレス
尿酸の生成に関係するのは、食べ物やアルコールに含まれるプリン体だけではありません!ストレスがかかると痛風発作が起こりやすくなります。これは、ストレスにより分泌されるホルモン(アドレナリンの上昇や女性ホルモンの減少)の影響で、尿酸がうまく排泄されないことが原因です。
 
尿酸値が高いと起こる痛風
尿酸の正常値は、3.1~6.9mg/dlです。尿酸値が高い状態を放置していると、尿酸が血液中に溶けきらず、結晶化します。この結晶が、関節(足の親指が多い)に沈着することで引き起こされる、急性の関節炎を痛風発作といい、「激痛、発赤、腫れ」の症状が出現します。尿酸値が高い状態を放置しておくと、10人に1人の割合で痛風になり、痛風を生じなくても、3年後には約5人に1人の割合で何らかの腎障害を引き起こすといわれています。また、尿酸により血管に炎症が起きることで、動脈硬化の直接の要因となり、脳卒中や狭心症等の発症率も高くなります。

病気にならないために・・・
◆プリン体を多く含む食品の摂取を控える
  レバーや魚卵、カツオ等の食べ過ぎには気を付けましょう。

◆尿酸の排泄を促す食品を摂る
  下記のアルカリ性食品を摂ることで、尿をアルカリ性に傾け、尿酸の結晶を溶かすようはたらきかけましょう。

◆肥満を解消する
  肥満の中でも、「内臓脂肪型肥満」は全身の代謝を低下させるため、尿酸値を上昇させます。
肥満の方は、体重を標準体重まで落とすことができるよう努力しましょう。

◆ストレスをためない
  趣味やリフレッシュの時間を設け、こまめにストレスを解消し、尿酸値の上昇を防ぎましょう。