2023年7月度 衛生委員会からのお知らせ
従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

7月度の衛生委員会の資料になります。

7月度のテーマは「ダニ媒介感染症について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2023年7月度

衛生委員会資料

産業医 山元 俊行

 

ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニに刺されることによって起こる感染症のことです。

人が野外作業や農作業、レジャー等で、これらのダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。

ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、刺された人が病気を発症することがあります。

 

特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに刺される危険性が高まります。

草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。

服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。

虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。

 

マダニに刺された場合

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、刺されたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりするおそれがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい

 

日本で発生がみられるダニ媒介感染症

重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)

感染してから1~2週間で、発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)がみられる。

ときに、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。

血液所見では、血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)、血清酵素(AST、ALT、LDH)の上昇が認められる。致死率は10~30%程度である。

 

つつが虫病

  感染してから1~2週間で、全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症する。

体温は段階的に上昇し数日で40℃にも達する。刺し口は皮膚の柔らかい隠れた部分に多い。刺し口周囲のリンパ節は次第に腫脹する。第3~4病日より不定型の発疹が出現するが、発疹は顔面、体幹に多く四肢には少ない。重症になると肺炎や脳炎症状を来す。北海道を除く全国で発生がみられる。

 

日本紅斑熱

感染して1週間以内に、頭痛、発熱、倦怠感を伴う。

発熱、発疹、刺し口が主要三徴候であり、ほとんどの症例にみられる。

発疹が体幹部より四肢末端部に比較的強く出現する(つつが虫病では主に体幹部にみられる)

検査所見:CRPの上昇、肝酵素(AST、ALT)の上昇、血小板の減少など

厚生労働省ホームページ

ダウンロード (PDF, 777KB)