2020年3月度 衛生委員会からのお知らせ

従業員 各位


日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

3月度の衛生委員会の資料になります。


3月度のテーマは「新型コロナウイルス(COVID-19)について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!! 

令和2年3月度 

衛生委員会資料 

産業医 山元 俊行

新型コロナウイルス(COVID-19)について

中華人民共和国湖北省武漢市において、昨年、令和元年(2019年)12月、原因となる病原体が特定されていない肺炎の発生が複数報告されました。現在、日本を含む29カ国から約8万人の感染者が報告されています。

日本においても調査、対応がすすめられていますが、新型コロナウイルス(COVID-19)とその感染症については現時点ではわかっていないことが多くあります。人から人への感染も一部確認されていますが、どれぐらいの広がりになるのかもわかりません。

 

現時点でわかっている事項について、最新のデータをもとに記載しております。ただし、今後変更になる可能性がありますので、最新のニュースも参考にしてください。

2月15日に開催されました、日本環境感染学会において「新型コロナウイルス感染症の現状と感染対策」という緊急セミナーが開かれました。国立国際医療研究センター国際感染症センター長の大曲医師の発表によると

これまでで判明している臨床像は、下記の通りです。

  • 発症から~1週間は感冒症状が続く (感冒症状:5℃以上の発熱、咳、潭、咽頭通、鼻づまりなど)
  • 感冒症状とともに強い倦怠感が続く
  • 症状がおさまっても長期間ウイルスが検出される
  • 下肺野に両側性で浸潤影が見られる (肺の下側に白くすりガラス状の肺炎像が見られる)

また、ウイルスの特徴としては、中国からの報告(New England Journal of Medicineより)によると、潜伏期間(感染から発症までの期間)はおよそ5日、多くの症例が1週間以内に、発症した患者のおよそ70%に肺炎を伴う、高齢者(65歳以上)や基礎疾患(高血圧、糖尿病、慢性呼吸器疾患、喫煙歴、免疫不全・免疫抑制治療中など)のある患者は重症化リスクが高いとなっています。

ただし、患者の89%は発症から5日間までは、入院が必要ない程度の症状ですが、発症から約3日までの間のウイルス排出量が多く、感染力も季節性インフルエンザより高いというデータがあります。したがって初期段階での隔離が困難であり、感染拡大を起こさないためにも、各個人が適切な感染防止対策を行う必要があります。

感冒症状のあるかたはもちろんですが、感冒症状のない方も、必要性の低い外出を控え、なるべく人ごみをさせることが重要です。感染予防に関しては、東北医科薬科大学が、市民向けにCOVID-19の基礎知識と対応策をまとめたハンドブックを作成し、PDFを公開しています。2月25日時点での情報に沿ってまとめられたもので全19ページ、出展を記載したうえで自由に印刷・配布ができますので、ご活用ください。

ダウンロード (PDF, 1.55MB)

感染対策の基本は、1.咳エチケット、2.手洗い、3.環境消毒・換気です。

ただし、マスクや、アルコールなどの消毒剤の流通がストップしており、なかなか手に入らない状況が続いています。アルコールは、なるべく手指消毒などに使用し、環境消毒には家庭用漂白剤を薄めて作る002%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用すると良いでしょう。

私たちができることは、過剰に恐れず、個人個人、企業単位、学校単位でできる感染対策を確実に実行し、感染のリスクを減らすため不要不急の外出を控える、また免疫を高めるためにしっかり栄養と休養をとることだと思います。