2022年1月度 衛生委員会からのお知らせ
従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

1月度の衛生委員会の資料になります。

1月度のテーマは

3回目接種とオミクロン株について 」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2022年1月度

衛生委員会資料

産業医 山元 俊行

世界中でオミクロン株が流行する中、日本国内でも感染者が多数報告されています。

感染力が非常に強いものの未だ不明な点が多いオミクロン株ですが、各自治体で3回目のワクチン接種が開始されました。そこで「3回目接種」と「オミクロン株」についてまとめました。

ポイントは以下の2点です。

・ファイザー、モデルナ社共に3回接種によりオミクロン株に対する中和抗体は上昇する。

・3回目はどちらのワクチンを接種しても抗体価は上昇し、安全性にも問題はない。

 

ファイザー社の報告について

米ファイザー社・独ビオンテックは、ワクチンの3回目接種がオミクロン株に対する有効性が期待できると公表しました。

実験室での研究では、3回接種でオミクロン株を中和する一方、2回接種では中和力価が有意に減少する。

3回目接種により中和抗体価が2回の投与に比べて25倍上昇する。

2回の投与でも重症化に対する予防効果が期待される。

 

モデルナ社の報告について

モデルナ社は、3回目接種によってオミクロンに対する中和抗体レベルがブースター前と比較して約37

増加したと報告されています。

 

このようにファイザー社モデルナ社共に、3回目接種によってオミクロン株に対する抗体が上昇すると報告

されています。

 

交差接種について

初回シリーズ(1回目、2回目)と異なるワクチンを3回目に使用する交差接種についても報告があります。

米国10施設で行われた交差接種を含んだ追加接種の安全性やIgG抗体価、中和抗体価についての論文が報告されています。(Atmar RL et al

 

初回シリーズ(1回目、2回目)接種と3回目接種に関して、ファイザー社とモデルナ社の組み合わせは4通り考えられます。それぞれの3回目接種による抗体価の変化は以下の通りです。

使用ワクチン

IgG

中和抗体

モデルナ➡モデルナ➡モデルナ

859.2→6799.8(7.9倍)

88.7→901(10.2倍)

ファイザー➡ファイザー➡モデルナ

356.6→6155.0(17.3倍)

24.8→495.7(31.7倍)

モデルナ➡モデルナ➡ファイザー

534.4→5195.6(9.7倍)

57.6→677.9(11.5倍)

ファイザー➡ファイザー➡ファイザー

223.5→3409.1(14.9倍)

21.4→446.7(20倍)

 

安全性に関して著者らは、交差接種に伴う追加接種の副反応は、1.2回目接種で報告された副反応と同程度であったと報告しています。また“交差接種”と“同じワクチンの接種”でも副反応は同様であったとしています。