2023年9月度 衛生委員会からのお知らせ
従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

9月度の衛生委員会の資料になります。

9月度のテーマは「トリプトファンについて」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2023年9月度

衛生委員会資料

産業医 山元 俊行

 

トリプトファンとは、人間の健康維持には欠かせない必須アミノ酸ですが、体の中では作り出すことができず、食べ物から摂取する必要があります。また、脳内の神経伝達物質のひとつで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや睡眠にかかわるホルモンであるメラトニンのもとになります。

 

トリプトファンの主な効果は以下の通りです。

精神を安定させる

  トリプトファンから作り出されるセロトニンは、神経伝達物質の一種であり、精神の安定やストレスの

緩和をもたらすことから「幸せホルモン」とも呼ばれています。

睡眠の質を向上させる

  セロトニンは生成後、夜になるとメラトニンというホルモンに変化します。

メラトニンは、体内のリズムを整え、眠気を促す効果があることから「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンの分泌量は明るい光によって抑制されるため、夜に強い光を浴びると寝付きが悪くなります。

記憶力・集中力を向上させる

トリプトファンが生成したセロトニンには、集中力や記憶力を向上させる効果があります。

仕事や勉強の前にトリプトファンを摂取することで、作業効率を上げることができます。

鎮痛効果

  セロトニンは痛みを感じると分泌されるといわれ、痛みが脳に伝わらないようにする作用があります。

アンチエイジング

呼吸により取り込まれる活性酸素は、他の物質を酸化させる酸素であり、過剰に増加すると老化につながります。セロトニンから変化して作られるメラトニンには、体内の活性酸素を除去してくれる抗酸化作用があります。

 

1日に必要なトリプトファンの量は、WHOによると体重1kgあたり4mgです。体重60㎏の方であれば240㎎の摂取が目安量となります。

 

トリプトファンが不足すると、不安感の増大・意欲の低下・うつ病・不眠などの症状が起こります。

また、トリプトファンは摂り過ぎもよくないと指摘されており、過剰に摂取すると、筋肉通・関節痛・疲労・発熱・頭痛などの症状が起こります。

 

トリプトファンが豊富な食べ物としては、乳製品チーズ、ヨーグルト、牛乳)、大豆製品湯葉、きな粉、おから、納豆)、魚類かずのこ、いくら、カツオ、マグロ)、肉類ビーフジャーキー、鶏むね肉、レバー、豚ロース)などがあります。

ビタミンB6は、トリプトファンがセロトニンを生成するために欠かせない栄養素です。

ビタミンB6は、とうがらしやにんにく、ナッツ類などに多く含まれているため、トリプトファンが豊富に含まれる食べ物と組み合わせるとよいでしょう。

また、炭水化物には、トリプトファンが脳へ取り込まれるのを助ける働きがあるため、トリプトファンが豊富な食品は、ご飯と一緒にバランスよく食べるようにしましょう。