2024年4月度 衛生委員会からのお知らせ
従業員 各位

日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。

4月度の衛生委員会の資料になります。

4月度のテーマは「麻疹について」です。

皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、

業務に努めていただきたいと考えております。

ご安全に!!

2024年4月度

衛生委員会資料

産業医 山元 俊行

麻疹ウイルスによって起きる感染症です。麻疹ウイルスに感染すると10~12日の潜伏期を経て、咳や鼻水などの上気道炎や目やにを伴う結膜炎症状を発症します。38℃以上の発熱や、強いだるさもみられます。そのような症状が2~4日続いたのちに、麻疹の特徴である発疹が、一般的には顔から始まり、体幹部や四肢にかけて2、3日で一気に広がります。発疹とともに咳や鼻水、目やになどの症状が悪化し、発熱は時に40℃に達するほどに高熱になります。発疹が全身に広がる時期の3~4日の間は発熱が続き、その後症状は改善します。

 

どうやって感染するの?

 麻疹ウイルスは、感染力が非常に強く、空気感染を引き起こすことが知られています。麻疹の患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる麻疹ウイルスは、感染する力を維持したままで1時間以上も空気中を漂い続けることがあります。麻疹ウイルスに対する免疫がない人は、感染するとほぼ100%発症します。

 

予防のためには

 麻疹ウイルスに対する治療法は現在もありません。そのため、ワクチンによる予防が最も重要です。麻疹ウイルスに対しては有効なワクチンがあり、1回の接種で95%以上、2回の接種で99%以上の割合で免疫力を得ることができます。現在、日本では、1歳以上の子供を対象に、ワクチンが定期接種されています。これまで国内の麻疹に対する免疫を持っている人の割合は、ほとんどの年齢でほぼ95%以上を維持していましたが、2022年以降、麻しんワクチンの接種率がやや低下しています。

 

 

どうやって予防するの?

麻疹患者数が増加している国や地域へ渡航する際は、渡航前に2回の麻しんワクチン接種歴があることを確認しておく。

海外からの帰国者や渡航者と接する機会が多い方についても、2回の麻しんワクチン接種歴を確認しておく。

医療従事者など麻疹患者と接し、感染するリスクが高い方についても、2回の麻しんワクチン接種歴を確認しておく。

定期接種として1回接種のみであった世代もいること、2回の定期接種対象者であっても接種できていない人、罹患歴がなく、母子健康手帳等の記録に基づく2回の麻しんワクチン接種歴が明らかでない場合は接種を検討することが重要です。

 

麻疹ワクチンの接種状況


 

日本医師会. 健康プラザ No.576

国立感染症研究所. 麻疹の発生に関するリスクアセスメント(2024年第一版)