日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
5月度の衛生委員会の資料になります。
5月度のテーマは「黄砂の健康への影響と対策について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2024年5月度
衛生委員会資料
産業医 山元 俊行
黄砂の飛来
黄砂は、ユーラシア大陸内陸部の乾燥・半乾燥地域で強風によって数千メートルの高度に巻き上げられた土壌・鉱物粒子で、偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊したり降下したりします。日本まで飛来してくる黄砂は、気道の奥深くに到達するほど非常に小さな粒子で、重金属やカーボン、バイオエアロゾルなどの有害な物質を含んでいたり、それら汚染物質とともに飛来してきたりしています。
(バイオエアロゾル:真菌、細菌、ウイルス、花粉、動植物の細胞の一部などの生物に由来し、大気中を浮遊している粒子の総称)
健康への影響
黄砂の飛来時は、浮遊粒子状物質の様々な成分にさらされるため、健康への影響が報告されています。
アレルギー症状への影響
・目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、皮膚のアレルギー症状
・黄砂濃度が高いほど症状を発症する人が増える
・黄砂とスギ花粉の同時暴露により、症状が悪化する
呼吸器への影響
・喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者では、症状の悪化、受診数や救急搬送の増加がみられる
・特に小児と高齢者で、喘息での入院が増える
・呼吸器疾患を持っていない人でも、咳や喉の痛みがでる
循環器への影響
・心筋梗塞や脳梗塞による緊急搬送、入院、発症増加と関連がみられる
・高齢者や糖尿病、慢性腎臓病などの既往歴のある人は、循環器疾患に影響するリスクが高い
黄砂暴露への対策
黄砂は、春と秋に高濃度で観測されます。黄砂の飛来予測と観測情報を利用して、なるべく黄砂に暴露されないようにしましょう。
・なるべく外出を避ける
・屋外で激しい運動をしない
・外出時には、マスクを着用する
・屋内では、窓の開閉や換気を必要最低限にする
・洗濯や布団の外干しを避ける
・空気清浄機を使用する場合は、黄砂やPM2.5をフィルターで捕集できるものを選ぶ
特に、アレルギーや呼吸器、循環器に疾患のある人、小児、高齢者は、体調に応じてより慎重に行動してください。
健康ぷらざ No,575 日本医師会 より引用