日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
12月度の衛生委員会の資料になります。
12月度のテーマは「冬場に気をつけたい食中毒について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2024年12月度
衛生委員会資料
産業医 山元 俊行
冬場に気を付けたい食中毒
―ノロウイルスによる感染性胃腸炎-
ノロウイルスによる食中毒
国立感染症研究所の統計では、ノロウイルスによる食中毒は11月から増加し、1~2月に多くなると報告されています。
ノロウイルスは加熱により死滅します。汚染された食材を、生あるいは十分に加熱しないで食べると感染する恐れがあります。牡蠣などの二枚貝は、感染源の一つです。人の腸で増えたノロウイルスが下水から海へと流れ、二枚貝の中で濃縮されます。その時期が牡蠣を食べるシーズンと重なっているのです。
受診が必要なタイミング
主な症状は、嘔吐、みぞおちの痛みなど胃の症状と、水のような下痢、腹痛など腸の症状です。
このような症状があれば、かかりつけ医を受診しましょう。感染性胃腸炎の大半はウイルス性ですが、血便が出る場合は細菌性の可能性があります。また、右下腹部痛がある際には虫垂炎が疑われます。
ノロウイルスの増殖を抑える治療薬はなく、感染性胃腸炎の治療は対症療法です。水分摂取は、「ペットボトルのキャップ程度の少量の水分を何度も何度も摂る」ことを勧めています。少量・頻回に水分を摂取しても、何度も吐いたり、歩くことも難しいなら、制吐剤を処方してもらう必要や点滴が必要な場合もあります。
感染を広げないために
家族内で感染を広げないことが大事です。
①胃腸炎の方を介抱したらその都度手を洗う
②食事や水分を摂取する前に手を洗う-を励行してください。
ノロウイルスはアルコールでは対応できないので、嘔吐物・糞便の処理や便座などの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした塩素系漂白剤を用いる必要があります。
<ノロウイルスに対する塩素系漂白剤を用いた消毒液>
- 嘔吐物・糞便の処理には、約0.1%濃度の希釈液を使用する。
【作り方】
500mLのペットボトル1本の水に、
市販の塩素系漂白剤(塩素濃度5~6%)10mL(ペットボトルのキャップ2杯)を入れる。
- 調理器具、トイレのドアノブ、便座、衣類などの消毒には、約0.02%濃度の希釈液を使用する。
- 使用時の注意:手指の消毒には使用しない。酸性のものと混ぜない。
日本医師会 健康ぷらざより引用