従業員 各位
日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
2月度の衛生委員会の資料になります。
2月度のテーマは「血栓症について」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
令和2年2月度
衛生委員会資料
産業医 山元 俊行
冬は感染症だけでなく、心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓症などの血栓症についても注意が必要です。
○ なぜ寒い季節に注意しなければならないのか?
国立循環器病研究センターによると、冬(12月~2月)にかけて心筋梗塞が一因とされる心肺停止の発症率が高くなることが分かっています。
冬は外と室内の寒暖差が大きいことで血圧の変動が生じ、心臓に負荷がかかります。
また、朝起きた時に血圧が上がりやすくなる(モーニングサーチ)ため、冬の季節、また朝から午前中にかけ、心筋梗塞や脳卒中などの脳血管疾患を発症する可能性が高まります。
○ 血栓とは
血管内の血液が何かの原因によって固まってしまう=小さな血の塊が血栓
その血栓が流れ、心臓や脳、肺など循環によって運ばれて塞いでしまうと循環を阻害し、障害や最悪の場合は死に至ります。
○ 血栓症を引き起こしやすい方
・生活習慣病を患っている、また疑いのある方
高血圧や高血糖、脂質異常などの生活習慣病がある方は動脈硬化を引き起こしやすいです。
・病気に関係なく起きる場合
同じ姿勢のまま動かない状態が多い、水分摂取できていない(水分不足)状態の場合、血栓症を引き起こす
可能性があります。
○ 日頃の健康管理編
・ 運動を行う
ジムも良いですが、階段を利用することや早歩きで散歩することなど、継続できる運動をお勧めします。
・ 健康的な食事の管理
健康的な食事が、体重や血圧値、血糖値、コレステロール値を改善させ血栓症につながる動脈硬化を予防します。
低カロリーだけを意識するのではなく、必要な栄養素はしっかりととることが大切です。
・ 血圧の管理
高血圧の方は、特に家庭用血圧計を入手して、朝と夜寝る前に血圧を測ってみましょう。食事での塩分の
コントロールや、服薬管理を行いましょう。
・ 標準体重の維持
肥満は心臓に負荷を与え、動脈硬化を招くことや、血圧が高くなる要因になりますので、肥満予防は多くの
疾患を防げます。
・ 水分摂取
冬は特に乾燥しやすく、暖房の利用によってさらに乾燥し脱水状態になりやすいので、こまめな水分摂取を
心掛けてください。
・ たばこを吸わない
・ 外へ出るときはマフラーや帽子など防寒し、外と室内の温度差を小さくする
・ 入浴時:脱衣所と浴室は温かくする。お風呂の温度は熱すぎず38~40程度に設定
今回は、血栓症についてご紹介しました。会社のリスクマネジメントとして、季節ごとに起きやすい疾患を把握していただき、個々の健康管理以外にも緊急時の対応についても改めて周知徹底していただければと思います。