日頃のご精勤に心より感謝申し上げます。
12月度の衛生委員会の資料になります。
12月度のテーマは「知って備える脳卒中」です。
皆様に置かれましては、是非とも健康に留意いただき、
業務に努めていただきたいと考えております。
ご安全に!!
2022年12月度
衛生委員会資料
産業医 山元 俊行
脳卒中ってどんな病気?
冬になり寒くなると、体は体温を逃さないよう血管を収縮させます。そのため、冬季には血圧が上がりやすくなりますが、これに伴って起こりやすくなる病気の1つに「脳卒中」があります。
脳卒中は大きく、①脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」、②脳の血管が破れて起こる「脳出血」・「くも膜下出血」にわけられます。
高血圧が長く続くと、血管に過度の負担がかかり、動脈硬化(血管が弾力を失い、もろくなる状態)が進行します。その結果、狭くなった脳の血管に血栓が詰まって起こるのが脳梗塞です。一方、高血圧等による動脈硬化で、硬くなった血管が破れて起こるのが脳出血、脳の動脈にできたこぶ(動脈瘤)が破裂するのがくも膜下出血です。
脳卒中はなぜ怖いの?
脳卒中は、ひとたび発症すれば命にかかわる病気であり、半身麻痺や言語障害、認知症などの重い後遺症が残ることが多く、寝たきりや「要介護」となる大きな原因となっています。
脳卒中の主な要因として、次にあげる5つが知られています。
- 高血圧:脳卒中に最も関連の深い危険因子。減塩や適切な降圧治療を受けることが大切です。
- 糖尿病:糖尿病があると脳卒中が起こりやすくなることが知られています。
- 脂質異常症:特にLDLコレステロールの値が高い人は注意が必要です。
- 不整脈(心房細動):心臓でできた血栓が脳に飛び、脳の動脈を塞ぐことがあります。
- 喫煙:喫煙によって血管が収縮し、血圧が上がりやすくなったり、動脈硬化を促進することがあります。
もし発症したら―早期発見・治療が回復のカギ
脳卒中を発症した場合、いかに早く適切な治療を受けられるかどうかが、その後の回復のカギとなります。
そこで知っておきたいのが、脳卒中の症状です。脳卒中というと、「突然、意識を失って倒れる病」というイメージをもつ人も少なくありませんが、実際には、意識を失うほど重篤な症状がいきなり現れる人は一部に過ぎません。脳卒中の症状の現れ方は、梗塞や出血の起こった部位によって様々ですが、米国脳卒中協会では、脳卒中が疑われる場合、「FAST」と呼ばれる方法で3つの症状を確認することを勧めています。簡便なチェックポイントですから、ぜひ覚えておきましょう。
FAST(米国脳卒中協会による)
- Face(顔の麻痺):
「笑顔を作れますか?」→笑顔がうまく作れず、顔の片方が下がっている、ゆがんでいる。
- Arm(腕の麻痺):
「両腕を挙げたままキープできますか?」→片方の腕が下がってくる。
- Speech(言葉の障害):
「簡単な文章を正しく繰り返せますか?」→言葉が出てこない、ろれつがまわらない。
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Time(発症時刻の確認):
これら3つの症状がどれか1つでもあれば、脳卒中の疑いが濃厚です。発症時刻を確認して、すぐに救急車を要請してください。
全国健康保険協会ホームページより引用